ほしおさなえ「まぼろしを織る」
ほしおさなえ「まぼろしを織る」高校生の時に母を亡くし、大学卒業後に就職したもののコロナで職を失った槐は、染色家の叔母に誘われて一緒に暮らしていた。叔母には頼りすぎず近づきすぎない距離で、塾でパートしながら叔母の仕事の手伝いをして過ごす日々だった。ところが、従弟の綸が離れに住むことになり・・・。うーん、ここでは「呪い」という言葉が使われているけれど、暴力ではない(モラハラという言葉に近いかもしれない)親からの虐待はあり、槐も綸もそういう虐待を受けてきた人たちなのかなと思う。重いけれど、しっかりと描かれている物語でした。でも、槐と綸の両親は、絶対に「槐」「綸」という名前はつけないな。「美華」と「正人」とか、そんな名前をつけそう・・・。ほしおさなえ「まぼろしを織る」